(一財)花山宇宙文化財団

宇宙天気基礎講座

 近年、太陽活動が地球社会や宇宙開発に及ぼす影響(宇宙天気)が次第に明らかになってきています。民間人や民間企業が宇宙に進出する時代となった今、宇宙の嵐の予報、すなわち「宇宙天気予報」の重要性が世界的に広く認識されるようになってきました。
 一方で、これまで太陽系や太陽に関して世界最先端の研究を進めてきた花山天文台は、近年閉鎖の危機に陥っています。1929年に設立された花山天文台は、太陽系や太陽観測の設備は古いながらも教育普及には世界的な資産です。京都の町中から近いこともあって、太陽観測を体験できる場所として貴重な役割を果たしています。
 花山天文台は、宇宙天気を太陽観測から学べる場として、その重要性がますます高まっています。花山天文台の特色を踏まえ、未来における人類の安全な宇宙進出、安全な地球社会を構築していくために「宇宙天気基礎講座」を昨年度より始めました。この講座を通じて、宇宙に関心のある多くの企業や市民の皆さんに花山天文台の成果や宇宙天気研究の現状を知っていただき、花山天文台が実施する教育普及活動への支援の輪を広げていきたいと考えています。
柴田一成(一般財団法人花山宇宙文化財団理事長、同志社大学特別客員教授、京都大学名誉教授)

開催要領

入門編&応用編
会場:オンライン(zoom)。全国どこからでもご参加いただけます。見逃し配信あり。
対象:宇宙ビジネスに関わる企業さま、宇宙ビジネスや宇宙天気予報に関心のある皆さま。
定員:100名(先着順)
参加協力費:入門編(全5回)10,000円(昨年度受講生: 8,000円)、応用編(全3回)6,000円(昨年度受講生: 5,000円)。
実習編
会場:京都大学 花山天文台(京都市山科区)
対象:今年度あるいは昨年度の受講生
定員:各回10名(先着順)
参加協力費:1回 10,000円
日程(予定):5月13日(土)、8月5日(土)

参加協力券は、以下のリンク先(Peatix)から購入をお願いします。
入門編   応用編   実習編 8月5日(土)
なるべくPeatixからのご購入をお願い致します。 難しい場合や請求書払いをご希望の場合は、事務局(info@kwasan.kyoto)までお問合せください。

入門編、応用編について、構成は昨年度と同じですが、内容はアンケートなどをもとに改訂予定です。



入門編 基礎から学ぶ宇宙天気(全5回)

第1回 4月27日(木) 15:00から17:00
宇宙天気による「災害」の種類、社会への影響・生物への影響 講師:柴田一成
本講座開催の趣旨、花山宇宙文化財団の紹介、宇宙天気とは何か、宇宙天気の原 因となる太陽活動および地球磁気圏・電離圏、宇宙天気による「災害」の種類、 社会・生物への影響、宇宙天気予報の現状、などについて解説します。本講座全 体のイントロダクションです。
第2回 5月25日(木)15:00から17:00
宇宙災害の要因/太陽の活動(1)講師:柴田一成
第3回 6月22日(木) 15:00から17:00
宇宙災害の要因/太陽の活動(2)講師:柴田一成
第4回 7月27日(木) 15:00から17:00
宇宙災害の要因/磁気圏の活動 講師:小原隆博
第5回 8月24日(木) 15:00から17:00
宇宙災害の要因/電離圏の活動 講師:小原隆博



応用編 宇宙天気災害と宇宙天気予報(全3回)

第1回 9月28日(木) 15:00~17:00
宇宙天気災害の実例 講師:小原隆博
第2回 10月26日(木) 15:00~17:00
宇宙天気予報の最新動向 講師:小原隆博
第3回 11月26日(日) 15:00~17:00
今後の展望 講師:斉田季実治、柴田一成


【講師プロフィール】

小原隆博(Takahiro Obara)
東北大学名誉教授。放送大学宮城学習センター客員教授。 東北大学大学院博士課程修了(理学博士)。 文部省宇宙科学研究所助手、情報通信研究機構グループリーダー、 宇宙航空研究開発機構グループ長、東北大学理学研究科教授を歴任。 専門は宇宙天気予報、特に地球放射線帯(バンアレン帯)変動予測。 国連宇宙天気専門家会合議長として宇宙天気ガイドラインを纏めた。 田中舘賞受賞。 <著書> 『宇宙環境科学』オーム社 2000年 共著 『Science of Space Environment』オーム社 2001年 共著 『太陽地球系科学』京都大学学術出版会 2010年 分担執筆 『総説 宇宙天気』京都大学学術出版会 2011年 分担執筆 『アシモフ博士の宇宙探検シリーズ(全26巻)』福武書店 1989-1991年 訳

斉田 季実治(Kimiharu Saita)
気象予報士。星空案内人。防災士。危機管理士1級。民放テレビ局の報道記者を経て、2006年からNHKで気象キャスターを務める。現在は「ニュースウオッチ9」に出演。連続テレビ小説「おかえりモネ」気象考証を担当。株式会社ヒンメル・コンサルティング代表取締役。一般社団法人ABLab宇宙天気プロジェクトマネージャ。宇宙天気ユーザー協議会アウトリーチ分科会長。 著書に「新・いのちを守る気象情報」(NHK出版新書)、「空を見上げてわかること 身近だけど知らない気象予報士」(PHP研究所)など。

柴田一成(Kazunari Shibata)
同志社大学特別客員教授、京都大学名誉教授、一般財団法人花山宇宙文化財団理事長(代表理事)。日本天文学会第49代会長(2017~2019)。太陽および宇宙における激しい活動現象、とくに電磁流体力学、爆発、宇宙ジェットを研究。

【主催・お問い合わせ先】一般財団法人花山宇宙文化財団 E-mail: info@kwasan.kyoto
【協力】ABLab宇宙天気プロジェクト、宇宙人クラブ、 京都大学大学院理学研究科附属天文台(依頼中)